人間の多面性
人の性格を語るとき、何気なく「根気強い」とか「明るい」とかシンプルな形容詞で定義したりしますが、これは本当に正しいアプローチなのでしょうか?また「大舞台になるほど勝負強い」とか「新しい人とのコミュニケーションが好きだ」とかいう傾向も同様に私は疑問です。
それってたまたまその時「根気強さ」を発揮できる環境だった(条件が揃っていた)だけのことで、その人が必ずしも(というかそもそも)性質として普遍的に「根気強い」わけではないように思うのです。
それはたまたま環境的な阻害要因がなかった、対象に対する興味が強くて他人より長時間努力を継続することに抵抗がなかった、他人から褒められることにより次第に意識しはじめ、やがて自分自身に対してレッテルを貼り「自分は根気強いんだ!」と思い込むようになる。
仕事のスキル
同様に仕事においても、それまでの業界や職種に関する経験やそれを通じて体得したスキルや知見は(当然反復継続することで同一作業の処理スピードは向上しますが)転職などの際に汎用性があるのか、ひいては過去の成果の再現性はあるのかという点において甚だ疑問です。
社歴の長い人が持つその会社特有の知識や経験を踏まえた優位性は評価に値することもありますが、「専門性」という都合の良い言葉を隠れ蓑に、類似する経験に対する帰納法的評価は、特に転職など環境要因が大きく変化する場面で成功の担保としては脆弱と言えます。
とは言っても、実際の選考の段においてそれ以外の拠りどころもないですし、そのような評価基準に基づき採用して成功する事例もたくさんあります。それはたまたま上手くいっただけなのですが、その背景には相手と自分両者の思い込みが大きく影響していると思います。