【寸評】☞ 個人的にはちょっと退屈な内容ですが、会計が専門外の方にはおすすめかも。
「会社を買う」ための目利きと値決めの実務書
M&Aの本質を読み解くツールとしての会計
私はこれまで自営👉営業👉事業開発👉戦略👉組織設計👉経営企画👉財務経理と目まぐるしい変遷の中で、実務経験を積んできました。元々経理畑の人間ではないのですが、本格的に経営企画をやり始めたころMBAにも通い始めたため、はじめてきちんと財務諸表を見るようになりました。
前職では会計士や弁護士と協業して債務超過の会社を整理し、スポンサーを見つけて事業再生を図るプロセスで、デューデリジェンスを受ける側としてM&Aプロセスに関わる機会を得ました。さらに外資系子会社へ移ったあとは財務諸表を見るだけでなく作る立場が加わりました。
【書籍紹介】サラリーマンは300万円で会社を買いなさい 会計編
さて、そんな中手にしたのが会社員に対する“経営のススメ”として人気を博した前著の続編となる本書です。
前述の通り、会計に関する専門性であったり知識の深さについてそこまで自信があるわけではなかったので、本書を読んで「当たり前のことばっかりじゃん」とか「基礎的な内容に終始しているなぁ」と感じたことが意外でしたが、正直嬉しかったです。
ただ、冷静に考えてみると私のような人間がそう感じるということは①会計の観点で言えば、本題の理解に必要な最低限の知識が平易な表現でまとめられている②その言語を使ってM&Aの実践的知識と著者の経験則を実用性の高いツールとして実装しているんだ💡ということに気づきました。
中小零細経営の本質
「企業価値評価」に関する書籍はまま世の中に出回ってますが、もっと端的なフェルミ推定レベルのざっくりした「会社の値段」を多少正確性を犠牲にして言い切った点が特に秀逸だと思います。※ちなみに私は元々さらに荒っぽく「会社の値段≒当期純利益×5年分」と見ていました。
あとは「小さな会社を買ったあとには実際に経営することになる」という点を見過ごすことなく、経営哲学や心得をしっかりとフォローしている点も好感が持てました。
大きな事業をすることの社会的意義(各コストのステークホルダー)であったり、理屈で考える以上に売上規模を伸ばすことが難しい事実、売上がなければそもそもカットするコストも存在しないなどの論点から「売上重視→利益重視」へシフトすることを提唱している点も納得感があります。
総評
個人的には、本書からそこまで目新しい知識が得られたわけではありませんが、やはり皆さんがおっっしゃる通り“小さい事業の買収”にフォーカスして可能な限りシンプルに関連知識がまとめられているため理解が深まり、結果としてそのコアな知識の汎用性が高まっているように感じます。
読む順番が逆になってしまいましたが、「第一弾の方も是非読んでみたい!」と思わせてくれるには十分の充実の内容でした。
サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 会計編【電子書籍】[ 三戸政和 ] 価格:864円 |
[…] 詳しい感想はそちらの記事へ譲ることにしますが、私も知らず知らずのうちにそれなりの会計知識を蓄えていたのか、前半2/3くらいは目新しい情報があまり見当たらず、正直少し退屈し […]
[…] 詳しい感想はそちらの記事へ譲ることにしますが、私も知らず知らずのうちにそれなりの会計知識を蓄えていたのか、前半2/3くらいは目新しい情報があまり見当たらず、正直少し退屈し […]
[…] 詳しい感想はそちらの記事へ譲ることにしますが、私も知らず知らずのうちにそれなりの会計知識を蓄えていたのか、前半2/3くらいは目新しい情報があまり見当たらず、正直少し退屈し […]