【寸評】☞ 個人的には興味も知見もある分野なので辛口ですが、一読マストです!!
ストーリー形式で「働くこと」の意味を問う転職の処方箋
私の専門は転職!
さて、シリーズ化を目論みスタートした「私の本棚」、今回は私の得意分野“転職”にまつわる書籍のご紹介です♬
一介のサラリーマンが「得意分野は転職!」とは穏やかでない…💦というか、コロコロ転職する人(通称ジョブホッパー)みたいで、あまりイメージがよろしくないかも知れませんが、まあ中らずといえども遠からずといったところです😓。
実際、これまでの経歴は結構レア。会社勤めを始めた30歳以降、宅地開発ベンチャー、外資系人材コンサル、東証一部メーカー海外勤務など規模や業種の異なる経験を経て、現在5社目に勤務中!
外資系人材コンサル(いわゆるヘッドハンティング)時代には社内トップセールスを獲得した実績もあり、クライアントとしてさまざまな企業(主に外資)を見てきて、優秀な候補者やCレベルのお偉方とお付き合いする中で、自分なりの“転職”に対する持論が固まってきました。
【書籍紹介】転職の思考法
なぜ私が転職に造詣が深い?かご説明したところで、いよいよ本題です。笑
著者は前回同様、博報堂~ボストンコンサルティングを経験したコンサル上がりの方。その後人材ベンチャーに参画したとのことですが、正直最初は「なんで人材業界?(これって自身の推奨する『伸びている業界で働け!』というメッセージと矛盾してない?)」と思いました。
ただ、本書を読み進めるにつれ著者のメッセージは転職や人材業界に留まらず、働き方そのものに対しての提言が肝であり、それを現場指導するためにはビジネス戦略のバックボーンを持ちつつ、この“働き方業界”に身を置き、直に人と関わっていくことに意義がある!と納得しました。
この独自の立ち位置は、ストーリー形式の本書中でも「コンサルタント黒岩」に投影されていますが、彼から定点観測的に提供される「講義」が“本編から一歩引いた客観的分析の視座”となって、多面的で難しいテーマをブレることなく削り出すことに成功していると思います。
コンサルによる転職思考の新機軸
本書の主題としては、転職活動(検討を含む)の本質は“選択肢を持つことの意義(=選択肢を持つことでその後の働き方が変わる)”に尽きると思います。“自身のキャリアを棚卸しして見つめ直す機会の大切さ”を伝えることができれば、日本人の転職観ももっと地に足が着くと思います。
あとは、人材市場におけるマーケットバリューの類型を3次元分析して図示して見せたり(上図)仕事のライフサイクルをBCGマトリックスに落とし込み各ステージを丁寧に解説したり(下図)分析の骨格を支えるツールとして「戦略フレームワーク」もバッチリ押さえています。
ただ、メッセージ性の部分に立ち返るとつまるところ(全然関係ないですが)回り回ってChikirinの日記にある「きちんとした仕事をするだけでしっかり食べていける人になる」という一文に帰趨し、これは平易ながら凡てに通じる普遍的真理だなぁ~と妙に納得してしまいました。閑話休題💦
総評
やはり自分の得意分野?なのでどうしても斜に構えるというか、いろいろ言いたくなるのですが、そもそも私から紹介するまでもなく本書はベストセラーですし読みやすい良書であることに間違いありません。
また、従来の面接ハウツー本以外の転職関連書籍において、主ターゲットではなかった層へ転職の裾野を拡げるにとどまらず、転職を支点としてより大局的に「働き方」を提言し啓蒙する意欲作!一読の価値は十分アリです❕
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法【電子書籍】[ 北野唯我 ] 価格:1,361円 |